【ウテリー・ゆみ子の世紀末決闘記】
2199年X月X日
世紀末、今日もまた血と硝煙の匂いが鼻を突く。弱者どもは震え上がり、強者どもは牙を剥き出す。この狂った世界で、私が求めるのはただ一つ、最強の称号のみ。
アルティミット極珍空手、その奥義を極めし者、それが私ウテリー・ゆみ子だ。触れることすらなく、ただその演舞を見るだけで死に至らしめる拳技。この力で私は今日までこの世界を生きてきた。
今日もならず者共の群れが女だと甘く見て私を取り囲んだ。
ウテリー・ゆみ子「豚野郎共が!束になってかかってこい。1人残らずひねり潰してやるッ!!」
弱者の嘆きなど耳に入らない、アルティミット極珍空手の前に跪き、そして消え去るのみ。
戦いの中で、ふと過去の記憶が蘇る。兄弟子の芹沢が言うには私は何者かの改造クローン人間だという。
ウェイトレス、ファンクラブ、平和な日々。だからなのか?そんな記憶が浮かび上がるのは。
そんなものが私に何の意味がある?私が求めるのは、血と暴力、そして最強の称号のみ。
過去の記憶など、私には不要。今の私に必要なのは、明日を生き抜くための力のみ。

今日、強奪した焼き鳥は焦げ付かないよう丁寧に温めなおし、これまた強奪した特製の辛味噌をたっぷりつけて頬張る。
美味かった。ちょっと幸せかも萌え萌えキュン。
...ん?ちょっと待て。今の感情はなんだ?「ちょっと幸せかも萌え萌えキュン」...馬鹿げてる。こんな感情、私にあるはずがない。
今の私に必要なのは、明日を生き抜くための力のみなのだ!

作画:Microsoft Bing Image Creator

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