オンラインでだけ出会う統合失調症ネットユーザー

頻度は決して高くないが、電子メールやネット上の書き込みだけで統合失調症なネットユーザーに出会う
こともある。ただし、より正確には“ウソをついているのでない限り、統合失調症であろうと推測される
ネットユーザー”だ。精神科における診断は、診察室の内側でフォーマルな診察を行った場合にだけ下さ
れるものであって、文字だけからの類推は、あくまで類推でしかない。
電波妄想や被害妄想の真剣な書き込みが、興奮や怒りを伴ったレトリックで、丑三つ時に連続投稿され
ているのを見たりすると、「これはコンディションの悪くなっている統合失調症の可能性が非常に高い」
と類推できる。逆に言えば、よほど状態が悪くなっていない限り、書き込みだけで統合失調症の可能性
を疑うのは難しい、ということになる。 
このような、非常に状態が悪いと推測されるネットユーザーは、インターネット上でまともなコミュニ
ケーションが出来ない。他人の書き込みを一切無視して妄想めいた書き込みを続けているか、他のネット
ユーザーと激しい揉め事に至ってしまう。とはいえ、このようなネットユーザーが長期間インターネット
上に留まり続けることは比較的珍しい。彼らがネットから消える理由が、治療を受けて回復するからなの
か、ネットにアクセスできないほど悪化するからなのかは、オンラインから眺めているだけでは分からない。