韓国のサムスン電子は24日、大統領の罷免につながったスキャンダルへの同社の関与やスマートフォン
「ギャラクシーノート7」のリコール問題について謝罪し、ガバナンス(企業統治)の改善に取り組む方針を示した。

 権五鉉副会長がソウルで開かれた定時株主総会で謝罪を表明した。事実上のトップである李在鎔副会長は
贈賄や横領の罪で起訴され、勾留中。

 検察によると、李副会長は2015年のグループ企業合併への政府の支持と引き換えに、朴槿恵前大統領の親友に
賄賂を提供したとされる。この合併は李副会長の支配力強化につながった。サムスンは李副会長の不正を否定しており
法廷で真実が明らかになるとしている。「ノート7」のバッテリー発火問題に伴う費用は約60億ドル(約6700億円)と推定されている。

 権副会長はこの日、法や税制の面から選択肢を検討中だとした上で、持ち株会社体制への移行は現時点では
「容易ではなさそうだ」との見解を示し、株式分割については検討していないと述べた。サムスンは昨年11月
企業統治構造を巡る投資家の懸念に対応するため、持ち株会社と事業会社に会社を分割する構想を検討していると発表していた。

 サムスンは「ノート7」のリコールで落ち込んだモバイル事業のてこ入れを目指し、新型スマートフォン「S8」を
来週発表する予定だが、李副会長の裁判のせいで影が薄くなっている。

 ブルームバーグ
 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-24/ONATR46JIJUP01