ウクライナ支援で反逆罪-スロバキアの転換に見る欧州結束の揺らぎ
2025年1月31日 22:26 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-01-31/SQY33XT1UM0W00 ⇒欧州で広がる親ロシアの波-支援継続に反対、対ロ制裁解除訴え
⇒民族主義者が台頭、エネルギー価格高騰の苦境を利用
北大西洋条約機構(NATO)加盟国の中で他国に先駆けてウクライナに軍事支援を行ったスロバキアで、この支援を巡ってヤロスラフ・ナド前国防相が権力の乱用や収賄、反逆罪の嫌疑をかけられ、捜査を受けている。ロシアのプーチン大統領を助けるような勢力が欧州の一部で台頭し、ウクライナを巡る結束に揺らぎが見られている。
ウクライナへの武器供給の停止を掲げるフィツォ首相が政権に復帰してから約1年余り、ナド氏は5件で刑事告訴され、内務省が調査している。2023年5月まで3年にわたりスロバキア国防相を務めたナド氏は、首都ブラスチラバでインタビューに応じ、「完全に政治的な裁判だ」と述べた。ウクライナに弾薬、ミグ29戦闘機、地対空ミサイル「S300」を送るというNATOの義務を履行しただけで、標的にされているという。
ナド氏は、収監される可能性に触れながらも「私はくじけない」と強調。「スロバキアの人々が団結し、私たちを支配する悪に対抗して団結する一助となることを願っている」と訴えた。
■ロシアに接近
ウクライナを支援したかどでナド氏が収監されるかどうかは別として、同氏が置かれた苦境は、欧州の片隅の指導者が欧州連合(EU)やNATOとの結束に反し、重大局面でプーチン氏に協力する都合の良い国となることを浮き彫りにしている。
スロバキア、オーストリア、クロアチアといった国々で民族主義者が勢力を伸ばし、親ロシアとされるハンガリーと共に、ウクライナへの支持に疑問を投げかけている。
ガス供給に関する協議を目的とした12月のフィツォ氏とプーチン氏の会談は、事態がいかに急速に変化し得るかを示している。フィツォ氏は、ウクライナの強固な同盟国だったスロバキアを、侵略についてプーチン氏の主張を頻繁に繰り返す国へと変貌させた。
フィツォ氏は、EU内でしばしば混乱を引き越すハンガリーのオルバン首相と連携している。オルバン氏は、EUのウクライナ支援に疑問を呈し、対ロ制裁の解除を求め続けている。