>>75
ウィリアム・ウェッブ(オーストラリア)は法廷に持ち出された事件に、前もって関与していたので判事としては不適格である。
裁判長のウィリアム・ウェッブはニューギニアにおける日本兵の不法行為()を調査して、
それをオーストラリア政府に報告(偽証)した者であり、これはウェッブがすでに検事的な立場で日本軍とかかわりを持ったことを意味する。
この経歴では、公平・中立が求められる裁判官には適していないので、担当裁判官の変更を要求している。

清瀬一郎弁護人の発言の中に、「まず、ウィリアム・ウェッブ裁判長に対する忌避の理由を申します。」とあります。
「まず・・」なので、2番目以降の「裁判官忌避の動議」の事由があるはずですが、ウェッブ裁判長によって打ち切られている。
清瀬一郎弁護人の動議を全て聞くべきであった。
そして、却下の正当な根拠を提示してから予定の罪状認否に進むべきであった。
「この法廷の裁判官を引き受ける前に、私の前歴を慎重に検討しました。
その結果、多くの人に指示されることを確信していました。」のウェッブ裁判長の発言では却下の根拠にはなっていない。

ウェッブ裁判長は
『管轄に関するすべての動議を却下する。その理由は、将来宣明する。』
とその場を切り抜け、事件の進行を図った。
その「将来宣明」は、昭和23年11月4日の判決言い渡しまで行われなかった。