新型コロナウイルスに関する防疫強化措置（ＥＣＱ）の期限を迎える今月16日以降について、アニョ内務自治相は７日、首都圏の一部の市について、感染者数が抑制されてきていることから、ＥＣＱを解除し一般防疫措置（ＧＣＱ）に置く可能性があると指摘した。具体的にはサンフアン市とバレンスエラ市を挙げている。８日付英字紙ブレティンがテレビ局のインタビューを元に報じた。
ロケ大統領報道官も同日、「感染者数の伸びが抑えられ、自治体の医療施設に適切な入院受け入れ態勢が整っている場合には防疫措置は緩和されるかもしれない」と述べている。しかし、首都圏で２カ月になる防疫強化措置については、マラヤ内務自治次官が４日、「あまりにも長い」と述べ、16日から一般防疫措置（ＧＣＱ）に緩和される可能性が高いと楽観的見通しを示していた。ただ、その際にも感染者数が多いケソン市とマニラ市については対象から除外されるかもしれないとしていた。
政府の新感染症対策省庁間タスクフォース（ＩＡＴＦ）にデータを提供する国内の疫学専門家によると、感染者数や死者数が２倍になる期間がピーク時の３日間ほどから現在は４日間ほどと伸び率のスピードが鈍ってきているという。しかし、ドゥケ保健相は「現在の流行は第２波。感染の伸び率が抑えられているからといって防疫強化措置を解除したらまた感染が増えるだろう。第３波を迎えることになる」と述べ、防疫強化措置の解除に懸念を示した。
同措置は16日以降も首都圏の一部の市やカラバルゾン地域、主要な地方都市などで延長される可能性が強いもようだ。しかし、マニラ市のモレノ市長は最近、延長について「市が（市民への支援費用を）負担することはもはや財政的にできない」と反対の意向を示している。防疫強化措置で地方自治体や政府の財政負担もぎりぎりのところにきており、公衆衛生危機と財政問題の間で難しい舵取りが続いている。（澤田公伸）
まにら新聞
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