2019年01月26日14時51分
 【ロンドン時事】スーダンでバシル大統領の退陣を求めるデモが1カ月以上続き、治安当局とデモ隊の衝突で多数の死者が出るなど、混乱が拡大している。要求を拒否するバシル氏への圧力を強めようと、デモを主導する運動団体は24日、全国50カ所以上で「最大規模」ともいわれる抗議集会を実施。強権支配を続けるバシル体制を揺るがしかねない事態となっている。
 デモはパンの値段を3倍に引き上げるとの政府発表に人々が反発し、昨年12月19日から首都ハルツームほか各地で繰り返されている。「(大統領は)辞めろ」「自由を」と叫んで行進するデモ隊に対し、治安部隊は催涙ガスや実弾を使って取り締まりを行い、公式発表ではこれまでに30人が死亡。一方、人権団体によると死者は40人以上に達し、負傷者や逮捕者も多数に上っているもようだ。
 1989年にクーデターで実権を掌握して以来、約30年にわたり権力の座にあるバシル氏にとって、異例の大規模デモは「(体制下で)最大の脅威」(AFP通信)とされる。同氏は「経済的苦境は(長期に経済制裁を科してきた)米国の責任だ」と主張するが、物価高で生活苦に追い込まれた人々の怒りはとどまるところを知らない。
 英BBC放送によると、ハルツームのある住民は「これまでにも経済問題をめぐるデモはあったが、今回は全く違う。人々の我慢はもう限界だ。(政権打倒の動きは)ますます勢いづいている」と語った。(2019/01/26-14:51)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019012600428&;g=int