・ベネズエラに戦略爆撃機=ロシア、カリブ海から米揺さぶり−核軍縮条約崩壊にらむ

動画:https://youtu.be/3VBRmzHsq1s

【12月13日 時事通信社】ロシアのプーチン政権が南米ベネズエラとの軍事協力を加速している。今週、核搭載可能なロシアのTU160超音速戦略爆撃機2機が合同演習を名目にベネズエラ入り。米政府が猛反発している。サンダース米大統領報道官は12日、ロイター通信に「爆撃機は14日にはロシアへ帰る」と答えたが、このままロシアがベネズエラから手を引くかは分からない。

 米国は、中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄する方針をロシアに通告している。対抗する格好で、カリブ海を挟んで米国の対岸に位置するベネズエラと関係を深め、米国を揺さぶりたい狙いがロシアにはある。

 12日付のロシア紙・独立新聞は「中米での長期的な軍駐留に向けてロシアは準備を進めている」と伝えた。ベネズエラへの戦略爆撃機の派遣はその一環と報じている。

 さらに、軍事外交筋の話として、ロシアの政権中枢がカリブ海に浮かぶベネズエラ領のオルチラ島にロシアの戦略爆撃機を配備する方針を決め、反米左派であるマドゥロ大統領も「反対していない」と報道。プーチン大統領とマドゥロ氏は5日、モスクワ郊外で会談したばかりだ。

 独立新聞によれば、オルチラ島への戦略爆撃機配備計画は2009年にもロシア軍高官が明らかにしたことがある。しかし、当時のメドベージェフ大統領は配備を見送り、米国との関係修復「リセット」を優先。翌10年に米ロは新戦略兵器削減条約(新START)に調印した。

 今の両国はINF条約が崩壊の瀬戸際にあり、21年に期限切れを迎える新STARTの先行きも不透明だ。こうした状況でロシアは、カリブ海での戦略爆撃機展開で米国をけん制する動きに出ている。(c)時事通信社
・Russian Tu-160 Strategic Bombers Take to the Skies Over the Caribbean (VIDEO)
https://sptnkne.ws/kpfc

・Российские Ту-160 летят в сторону США:Американцы в учениях в Венесуэле увидели "провокацию" Москвы
https://utro.ru/army/2018/12/10/1383628.shtml

(Tu-160)
https://cdn2.img.sputniknews.com/images/107058/64/1070586433.jpg
https://pics.utro.ru/utro_photos/2018/12/10/1383628.jpg

2018年12月13日 14:22 AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3201926?act=all