【11月28日 AFP】ブラジルの森林破壊が空前の規模に達しており、たった1年間でサッカー場100万面に相当する面積の森林が失われた。環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)が明らかにした。
ブラジル政府の特別調査機関によると、森林破壊は2017年8月〜2018年7月に前年同期比で14%近く拡大し、7900平方キロの面積の森林が消失したという。
グリーンピースのブラジル支部で公共政策コーディネーターを務めるマルシオ・アストリーニ(Marcio Astrini)氏は、AFPの取材に「たった1年でサッカー場およそ100万面に相当する森林が破壊されたことになる」と語った。「森林が違法に伐採されているという知らせが伝えられるのは、毎年のことだ」
ブラジルのジャイル・ボウソナロ(Jair Bolsonaro)次期大統領が環境保護規制を緩和するという公約を実行に移せば、事態はさらに悪化する可能性があると、アストリーニ氏は指摘する。
さらに、ボウソナロ次期大統領がテレサ・クリスチーナ(Tereza Cristina)氏を農牧・食料供給相に指名したことも、懸念材料となっている。農業関連産業による国会でのロビー活動の先頭に立っているクリスチーナ氏は、牧草地や農地を増やすために、森林伐採の拡大を支持しているからだ。
■アマゾン森林破壊「想像絶する事態に発展する恐れ」も
地球上に残る熱帯雨林の半分以上を占めるアマゾン(Amazon)の熱帯雨林は550万平方キロの範囲に及んでおり、そのうちの約60%がブラジルにある。
だが、アマゾン熱帯雨林は違法伐採および農業、特に大豆のプランテーション(大農園)や牛の牧草地などによる脅威にさらされている。
2004年〜2012年には、官民双方で規制を課したことにより、ブラジルの森林破壊のペースは減速していた。だが、ボウソナロ次期大統領は「自然保護地域、先住民保護区を廃止し、環境犯罪を捜査して罰するための権力を弱める」意向を表明していたと、アストリーニ氏は指摘する。
「ボウソナロ次期大統領がこれらすべてを実行し、罪を罰する力を弱めるとすれば、アマゾン森林破壊は想像を絶する事態に発展する恐れがある」と、アストリーニ氏は続けた。(c)AFP
・The election of Brazil's far-right president could devastate the Amazon, and indigenous groups are calling for a 'sacred corridor of life' to protect it
https://www.businessinsider.com/amazon-forest-indigenous-sacred-corridor-of-life-2018-11
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2018年11月28日 10:28 AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3199493?act=all