外務省が、中南米や米国などで暮らす日系人との連携強化を目指す「現地日系ネットワーク形成支援事業」をスタートさせた。３６０万人以上とされる日系人だが、世代交代を重ねて日本とのつながりが希薄化している。今年は日本人の最初の集団移住から１５０周年の節目でもあり、日本と移住国の「懸け橋」の役割を期待し、関係の再構築を図る。
外務省によると、１８６８年に日本人１５３人が現在の米ハワイ州に渡ったのが最初の集団移住。現在、日系人は、ブラジルの約１９０万人を筆頭に、米国（約１３０万人）、ペルー（約１０万人）などに暮らしており、農園や会社経営で成功した人も多い。
このため、ビジネス分野を中心に日系人とのネットワーク構築を目指す。６月にはブラジルで日系人ら１４０人を集めたセミナーを開催。日本の商習慣や製品規格などを紹介した。今秋以降も各国で、同様のイベントを十数件計画している。来年度はブラジルの日系人を対象に、対日感情などに関するアンケート調査も実施する。
経済大国の米国はもちろん、中南米も経済発展が期待できる国が多い。河野太郎外相は記者会見で「日系人社会とのきずなを再構築することが日本外交の強化につながる」と話した。
外交青書・白書 第4章 国民と共にある外交
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/2017/html/chapter4_02_03.html
最終更新 9月28日 19時13分 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180929/k00/00m/030/082000c
