■治安当局と相談し「殺人劇」演出を明らかに

ウクライナ警察は29日、首都キエフで、
ロシア出身でプーチン政権を批判していた記者が射殺されたと発表した。
だが、30日になって一転、記者本人が記者会見場に登場し、
治安当局と相談して「殺人劇」を演出したことを明らかにした。
ロシアの関係機関による記者の暗殺計画を事前に察知し、これを防ぐために流した偽情報だったという。


 この記者はアルカディア・バブチェンコさん(41)。
ウクライナ警察は当初、キエフ市内の自宅で何者かに銃撃され、搬送中に死亡したと発表。
ロシア滞在時のバブチェンコさんは、ロシア軍が関与してきたウクライナやシリアの情勢を報じ、
プーチン政権を批判していた。そのため関係機関などから脅迫を受け、2017年からキエフに滞在していた。

 保安庁のグリツァク長官は30日の記者会見で、
ウクライナ国内ではバブチェンコさんら約30人に対する暗殺が計画されていたことから、
対抗策の一環として「殺人劇」を実行したと説明。
一緒に会見に臨んだバブチェンコさんは偽の情報を流したことを謝罪しながらも、
「他にやりようがなかったのだ」と釈明した。

 ロシア外務省のザハロワ情報局長は30日、ウクライナの情報機関が偽情報を流したことを批判した。

画像:射殺されたと報じられた後、記者会見場に現れたバブチェンコ記者(中央)。
右はウクライナの検事総長、左は保安庁長官
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毎日新聞
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