EUの新しいプライバシー法が施行された金曜日(米国時間5/25)には、
アメリカの一部のニュースサイトがヨーロッパの読者にとって存在しなくなった。
そのGeneral Data Protection Regulation(GDPR)と呼ばれる規則は、
消費者の何らかの個人データを集めるインターネット企業が従うべき厳格な要件の集合を定めている。
その影響はきわめて大きいので、アメリカのメディア企業Troncは、何かが違反と見なされることと、
それがもたらす予期せざる結果を恐れて、ヨーロッパの読者をすべてブロックすることに決めた。

EUをブロックするTronc傘下のサイトは、
Los Angeles Times, The Chicago Tribune, The New York Daily News, The Orlando Sentinel,
The Baltimore Sunなど、地方の名門紙が多い。Lee Enterprises傘下の新聞、
The St. Louis Post Dispatch, The Arizona Daily Starなども、ヨーロッパの読者をブロックした。

[Tronc傘下の新聞はどれもGDPRに違反しているようだ、ヨーロッパからのトラフィックを遮断した]

ヨーロッパの人たちが読まなきゃ(当面)文句ないだろう、と考えたTroncと違って、
アメリカの大手全国紙の多くは、Webサイトの問題箇所を削除改変したバージョンを提供したり、
ユーザーデータの利用に関してオプトインを求めたりしている。
NPRは、同サイトのプレーンテキスト・バージョンを読者にすすめて、喜ばれている。

多くの地方紙が、その多くがアメリカの市場に貢献しているEUのユーザーを遮断して良しとしているが、
一部は、これを機にむしろ、国際的な読者を惹きつけて目立とうとしている。
彼らは、のけ者にされたヨーロッパのユーザーに、遮断作戦を公然と批判するよう、すすめている。

彼らは、批判されて当然である。GDPRのプライバシー規則は2016年4月に採択されたから、
企業がコンプライアンスを整備する時間は規則の施行まで2年もあったのだ。

https://techcrunchjp.files.wordpress.com/2018/05/newspapers.jpg

TechCrunch Japan
https://jp.techcrunch.com/2018/05/26/2018-05-25-gdpr-tronc-us-media-companies