(CNN) スペイン南部ムルシア州で、海岸に打ち上げられて死んだマッコウクジラの胃の中から、
重さ約30キロ弱のプラスチックごみなどが見つかった。

胃の中のごみはプラスチックやビニールが中心で、ロープや網なども混じっていた。
州当局はこれをきっかけに、ビーチの清掃キャンペーンを開始。
州の予算や欧州連合(EU)からの補助金も使って、一帯のビーチの清掃に乗り出す。

ムルシア州の環境保護当局は、「プラスチックごみが世界中で野生生物を脅かしている。
多くの生物がごみに絡まったり、大量のプラスチックを飲み込んだりして死んでいる」と指摘する。

クジラは2月27日、海岸に打ち上げられているのが見つかった。
体長は約10メートル、体重は6トン。異常にやせ細っていた。

マッコウクジラは主にイカを主食とする。
しかし解剖の結果、胃と腸の中から大量に出てきたのは、ビニール袋や網、ペットボトルなどのごみだった。

死因は腹部の感染症である腹膜炎と診断された。飲み込んだごみを消化できず、消化器が破裂したと思われる。

絶滅危惧種であるマッコウクジラの死は、どれほど多くのプラスチックごみが海洋に投棄されているかも物語る。

世界経済フォーラムによると、海上を漂流するプラスチックごみは既に約1億5000万トンに達している。
これに加えて、毎年800万トンが海洋に投棄される。

先月公表された報告書によれば、海のごみの70%は生物分解できないプラスチックやビニールが占める。
その量は今後10年で3倍に増える見通しだ。

プラスチックごみは野生生物を窒息死させるほか、食物連鎖に入り込んで海洋生物を有害物質で汚染させ、
人間の食卓にも到達する。

関連ソース画像
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/04/12/bcbf6b6834cb3975b553c9228572cea9/sperm-whale-dead-plastic-001.jpg
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/04/12/8fcab8ddfa8d14e650e5df5093a658ec/sperm-whale-dead-plastic-002.jpg

CNN
https://www.cnn.co.jp/fringe/35117629.html