歩道の拡幅計画発表 スディルマンタムリン通り 「徒歩文化」定着目指す 

 ジャカルタ特別州は6日、スディルマン、タムリン両通りの整備計画を発表した。歩道を大幅に拡幅するため、本道と側道を分ける分離帯を狭め、二輪車、バス用の側道を1車線へ減らす。また、青年の像周辺やスマンギ交差点には、音楽ライブができるようなスペースを設けて「徒歩文化」の定着を目指す。

 歩道の整備区間は、中央ジャカルタ区モナス(独立記念塔)広場前のアルジュナ戦勝像からホテル・インドネシア(HI)前ロータリー、スマンギ交差点、南ジャカルタ区の青年の像までの全長6.6キロ。
 8月のアジア大会開幕前の完工を目指し、マス・マンシュール、スディルマン両通りの立体交差付近のウィスマ・ダルマラ〜青年の像間(2.5キロ)の工事を優先、同大会メーン会場となるブンカルノ競技場周辺の歩道整備を急ぐ。
 整備計画によると、スディルマン、タムリン両通りとも最も内側の首都圏専用バスのトランスジャカルタ(TJ)用車線は現状のまま維持する。その脇に四輪車用3車線を設け、幅を狭めた分離帯を挟んで二輪車、TJ以外のバス用の側道を設置する。側道は現在の2車線から1車線へ減らす。
 分離帯の縮小と側道の1車線化で生じたスペースは歩道拡幅に充てられる。この結果、歩道は現在、広いところで幅5メートルほどだが、2〜3倍の10〜15メートルまで拡幅する。現在、分離帯に植わっている街路樹は歩道へ植え替えられる。拡幅された歩道には、インドネシア伝統のバティック(ろうけつ染め)やテヌン(織物)などのモチーフや地下をのぞくことができる透明なブロックを取り入れる。ニュースを表示する電光掲示板、有名アスリートのマスクと足形が並ぶウオーク・オブ・フェーム、自転車レーンなどを設けるほか、車椅子などが通行できるようにバリアフリー化も推進する。
 アニス・バスウェダン知事は6日、州庁舎で開いた会見で「歩道を市民の交流と教育の場にしたい」と表明。歩道整備で徒歩文化を定着させ、「アジア大会のレガシー」にしたい考えを示した。
 州公共事業局によると、工事を請け負うのは、シンガポールの不動産大手ケッペル・ランド子会社のケプランド・インベスタマ、森ビル(本社・東京都港区)子会社のミトラ・パンチャ・プルサダ、MRTジャカルタの3社。
 総工費は少なくとも1800億ルピアに上る見込みで、アホック元知事が導入した、建物の容積率オーバーを認める代わりに公共事業に出資させる枠組みを活用して資金を確保するもよう。
 スディルマン、タムリン両通りの歩道整備をめぐっては、アホック元知事時代に「歩道でハングアウト(くつろぐ)」をテーマに、24時間営業のカフェを設置して歩道を8〜10メートルに拡幅する案が浮上したが、州庁舎などに2店舗ほどカフェができただけだった。ジャロット前知事は、歩道を緑地化しながら8〜11メートルに拡幅する方策を示し、植樹が始まったが、知事選もあり遅々として進んでいなかった。(中島昭浩)

じゃかるた新聞
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