http://www.sankei.com/world/news/171209/wor1712090008-n1.html
トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことを受け、トルコでも8日、最大都市イスタンブールや首都アンカラを含む各地で
抗議デモが行われた。地元メディアが伝えた。
トルコは政教分離の世俗主義が国是だが、国民の大半がイスラム教徒。イスタンブール旧市街では金曜礼拝の後、パレスチナの旗を持った
大勢の市民が行進し、米国やイスラエルに抗議するスローガンを叫んだ。デモは西部イズミルやブルサ、中部コンヤなどでも行われた。(共同)
民主的なトルコの実現 ギューカイ・ゾフォグル 独トルコ人協会会長
https://mainichi.jp/articles/20171210/ddm/007/070/091000c
トルコのエルドアン政権による今年2月のドイツ紙記者拘束以降、トルコと独政府との緊張が高まっている。9月の独連邦議会総選挙でも
メルケル独首相がトルコの欧州連合(EU)加盟交渉打ち切りを主張するなど、政策論争が(トルコ人全体への)偏見として表面化した。
ドイツでは約300万人のトルコ系住民が暮らす。対立の背景には在独トルコ人有権者がトルコ国内の選挙結果を左右しうる重要な存在で、
経済的影響力も大きいことがある。トルコ人は何十年もドイツで差別を経験してきた。エルドアン大統領を支える公正発展党(AKP)は、
独国内で差別について訴え(ドイツへの対抗意識を強調することで)疎外感を抱く有権者に支持を広げてきた。
10月下旬、テロ組織支援容疑でトルコ当局に拘束されていたドイツ人人権活動家が釈放された。緊張緩和は喜ばしいが、トルコでは今も
独国籍所持者を含む数千人が拘束されており、緊張緩和が進むかについて懐疑的だ。
大統領権限強化に関する国民投票(4月)で、エルドアン氏が小差で「勝利」してからトルコ情勢は極めて不透明になった。エルドアン氏は
「全世界が我々の敵だ」と訴え国民に団結を求めている。数年後、トルコがどんな国になっているのか想像さえつかない。
国際社会は真に民主的なトルコを実現するため反体制派との連携を深めるべきだ。例えば、政権の汚職を追及するトルコ紙カムハリエットに
ノーベル平和賞が贈られれば、弾圧される記者たちを後押しするだろう。トルコは建国以来、西洋文明を取り入れ、議会制民主主義を
確立しようとしてきた。民主的なトルコは世界の利益だ。私は近い将来トルコが再び欧州の方向を向くだろうという希望を持っている。世界が
どのようなトルコを望むのか、今問われている。【聞き手・中西啓介】
■ことば
ドイツとトルコの対立
1961年に旧西独が「出稼ぎ労働者」としてトルコ移民を受け入れたことで、トルコ人は移民系として独最大の人口を持つ。トルコの
エルドアン大統領の強権化が目立ち始めた2016年、人権や表現の自由を巡る両国の対立が問題化。トルコが独紙特派員らドイツ人を
拘束する一方、独側もトルコ政治家の国内演説を禁止。エルドアン氏は独政府を「ナチ」と批判した。