社会
2017年09月12日 23:51
(アップデート 2017年09月13日 00:09)

英国出身の写真家、デイヴィッド・スレイター氏が、自身のカメラを使ってサルが自撮りした写真に対する著作権を認められた。動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」のサイトが明らかにした。

スレイター氏とPETAの和解内容によると、スレイター氏は著作権を認められたが、著作権収入の25%を慈善事業、特に動物保護活動に寄付することを義務づけられることになった。

PETAの声明では、「PETAとスレイター氏は和解した。今回の件は、大きな収入をもたらす権利を動物にどう分配するかという非常に重要な問題を提起した」と述べられている。

問題となった写真は、自然写真を専門に撮影するスレイター氏が2011年にインドネシアに滞在していたときのもの。自然保護区でスレイター氏はカメラを三脚に設置し、数分間その場を離れた。その間に「ナルト」という名の雄のクロザルが自分でカメラを操作して自撮り写真を数枚撮影した。

微笑んでいるサルの写真は非常に人気を集め、インターネット百科事典「ウィキペディア」を運営する非営利団体「ウィキメディア財団」が、画像などのデータベース「ウィキメディア・コモンズ」にこれらの写真をフリーコンテンツとしてアップロードした。
著作権を主張するスレイター氏に対し、同財団は「著作権を有するのはその写真を撮影した人物であり、今回の場合はこのクロザルだ」と反論した。

その後、この争いにPETAが介入し、ナルトを写真の著作権者として認めるよう法廷で要求した。それによると、クロザルが人間でないという事実は、そのクロザルが写真家になれないことを意味しないという。

この問題の審理は過去数十年で最も滑稽な法廷闘争の一つとなり、法廷にはこの風変わりな裁判に関心のある大勢の法学部の学生や一般の傍聴人が詰めかけた。廷内では度々笑い声が聞かれ、裁判官も笑いを抑えることはできなかった。

https://jp.sputniknews.com/life/201709124080070/