医療技術
オリーブの実 種ごと飲み込んだ男 小腸に突き刺さって激痛 ベルギー
2017年08月17日 16時42分

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上:小腸の壁の一部が肥厚化しているのを示すCTスキャン画像。下:腸壁には黒のオリーブの実が突き刺さっていた(Hallil Yildiz/The BMJ)



 古代ギリシャの時代から、ヨーロッパの人たちに好んで食べられてきたオリーブだが、ベルギーの24歳の青年は、あまりに好きすぎて種ごと飲み込んだせいで、猛烈な腹痛でのたうちまわる羽目になった。CTスキャンで調べたところ、小腸の壁に突き刺さっているのが見つかった。

 英国の医学誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』に今月9日に掲載された症例報告によると、ベルギーの大学病院に今年3月、24歳の男性患者が猛烈な腹痛を訴えて救急搬送された。

 ハリル・イルディツ内科医はすぐに腹部のCTスキャン検査を実施。断層画像から小腸の壁の一部が異常に腫れて、肥厚化した腸壁におはじきぐらいの物体が埋もれているのに気づいた。
問診の結果、患者が2日前に好物のオリーブの実の塩漬けを食べた際に、種を吐き出さず丸ごと食べていたことが判明。内視鏡の検査でも、腸壁に穴があいているのが確認された。

「CT検査で、新鮮なオリーブの実を見つけたのは初めてでした」とイルディツ医師。大々的な摘出手術の必要はなく、炎症を抑えるステロイド剤の投与だけで、数日後には大便となってスッキリ体の外へ排出された。

 しかし、これでめでたしめでたしと終わるわけにはいかないのが今回のお話。オリーブの実が排出されたかどうか確認するために、再度内視鏡検査を受けた際に、患者はクローン病を患っていることが判明。

 クローン病は、大腸や小腸の粘膜に慢性の炎症や潰瘍ができる原因不明の病気で、慢性的に症状が落ちついたり悪化したりを繰り返しながら進行する。治療法はなく、潰瘍が深くなると、腸や膀胱などの臓器との間に穴があいたり、腸閉塞などの合併症を起こす場合もあるという。

 イルディツ医師は「クローン病がなければ、オリーブの実が悪さすることもなかったでしょう。このタイミングで病気の存在がわかったのは、不幸中の幸いでした」と話している。

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上:小腸の腸壁に突き刺さったオリーブの実。下:穴はふさがったが、クローン病による炎症であちこちで出血が確認できる(Hallil Yildiz/The BMJ)


とにかくオリーブは種を出して食べて欲しい

http://sp.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/1/21558.html