スポニチ 2022年12月6日 06:00
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は今月4日、第46話が放送され、慈円役を好演中の声優・山寺宏一(61)に2度の長台詞。本領発揮となる圧巻の台詞回しがSNS上で大反響を呼んだ。
 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。物語は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の決戦「承久の乱」へと向かう。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は大河8作目にして初主演に挑んだ。

 第46話は「将軍になった女」。源実朝(柿澤勇人)の後継者をめぐり、北条義時(小栗)と後鳥羽上皇(尾上松也)の駆け引きが続く。北条時房(瀬戸康史)が軍勢を率いて上洛、揺さぶりをかけた。決着をつけようと、後鳥羽上皇は時房と蹴鞠勝負。結果は引き分け。親王の代わりの者を鎌倉に送ることで手打ちとなった。4代鎌倉殿に決まったのは、九条道家の三男・三寅(みとら、のちの藤原頼経)。わずか2歳だった。

 慈円(山寺)は極秘に鎌倉入りし、義時と政子(小池栄子)に面会。三寅の出自を述べる。

 慈円「源頼朝卿の妹君が一条能保卿に嫁がれ、その長女は月輪関白兼実公の子、後京極摂政良経公に、そのまた次女は大宮大納言公経(きんつね)卿に嫁ぎ、その姫君が後京極摂政の子である道家公に嫁がれ、その間に生まれたのが三寅様にござる」

 義時「申し訳ない。もう一度、お願いいたします」

 慈円「(早口で)源頼朝卿の妹君が一条能保卿に嫁がれ、その長女は月輪関白兼実公の子、後京極摂政良経公に、そのまた次女は大宮大納言公経卿に嫁ぎ、その姫君が後京極摂政の子である道家公に嫁がれ、2人の間に生まれたのが三寅様にござる。後ほど紙に書いてお渡しいたす。摂関家の流れを汲み、なおかつ源氏の血を引くお方だ」

 山寺が一切よどみのない滑舌を披露。しかも、2度目は早口。“七色の声”の真骨頂に、SNS上には「プロの外郎売りを2回も聞けた感じで感服しました」「思わず拍手してしまいましたwきっと義時&政子の中の方々も同じ気持ちだったかとw」「神業、堪能いたしました。しかも、おかわりw贅沢すぎます。三谷脚本の妙技よ」などと驚嘆の声が相次いだ。

 山寺はオンエア後、自身のツイッターを更新。これまで慈円は京にいたため「義時殿、政子殿との絡みがうれしかったです」と喜び「三寅様の説明は家系図を書いて必死に覚えました」と明かした。