リアルサウンド2021.09.13 15:58
https://realsound.jp/tech/2021/09/post-858498.html

10000個のNFTが用意されたゲーム『Epic Hero Battles』に盗作問題が浮上し、批判が殺到している。

ことの発端は、昨年発売されたインディーゲーム『Wildfire』の作者、ダン・ヒンデス氏が、「『Epic Hero Battles』が、僕の作品を自分のものにしようとしている」と2つの画像を並べて指摘したことだ。両者を見比べてみると、たしかにまったく同じ素材が使われていることがわかる。

指摘を受けた『Epic Hero Battles』の作者は、Twitterで「素材はウェブ開発者から入手したものだが、オリジナルであるかどうかの確認を怠ってしまった。これは自分たちのミスだ。このようなことは二度と起こらないようにする」と釈明した。ところがSNSユーザーがさらに調査を進めたところ、同ゲームのほとんどの素材が他のアーティストが制作したものであることが発覚。批判を受けた作者は、弁明もなくTwitterのアカウントを削除した。

現在多くの情報は削除されているものの、ゲームメディアの『GAME RANT』は、「おそらくこのゲームは、NFTプラットフォーム『OpenSea』でNFTとして主人公を購入して戦うのだろう」としている。より強いキャラクターや武器のために、NFTを購入させる魂胆だったのかもしれない。

このゲームにどんな開発者が携わっているのか、どのスタジオで制作されているのかは不明だ。当初は今年の11月にリリース予定とアナウンスされていたが、多くのSNSユーザーは、昨今のNFTブームに便乗した盗作犯で、このゲームが本当にリリースされることはないと見ているようだ。

現状、一度NFTとして登録されると、本当の作者がその所有権を主張することが困難となる。アーティストを守る対策が必要だ。

堀口佐知

【画像】2つのゲームを比較すると、背景が完全一致
https://realsound.jp/tech/2021/09/post-858498.html/20210913-nftgame01