いままで映画ってのはカメラのフレームや生身の役者によって課される物理的な制約から逃れられなかったからな
アキラとか攻殻機動隊みたいなアニメ映画が外人にとって鮮烈だったのは、単にアニメーションが凄いというだけじゃなくて、映像表現として実写には成し得ないレベルを成し遂げていたからだよ
スパイダーバースにも攻殻機動隊のオープンニングシーンよろしく摩天楼のビルの奈落へと真っ逆さまに落ちていくビジュアルイメージ――明らかに攻殻の影響を感じさせる――があるが、これはアニメーションだから出来た映像表現
3DCGによって映像を文字通りアニメートすることで、今までにないレベルで映像表現を達成することとが出来るということに気づいたハリウッドは、恐ろしい勢いでCG映画を生み出している
ここ最近のハリウッド映画がSFモノ、アメコミもの、日本のマンガ原作モノで溢れているのは、けっして偶然ではない
其の意味では、アニメはハリウッドに先行して30年も前から映像の可能性を最先端で追求し続けていた、というふうに言えるわけだが、それは畢竟、スレタイの「危機」にも繋がる
ハリウッドが爛熟たるCGのパワーを振るうことで映像面で「アニメにしか出来なかったこと」を達成してしまう時、日本のアニメーションにどんな可能性が残されているのだろうか、というね
実際、業界人は戦々恐々してるのかもしれない