■アニメサイト連合企画「世界が注目するアニメ制作スタジオが切り開く未来」Vol.7 トマソン

トマソン 代表作:日本の昔ばなしシリーズ、ミルキーパニック twelve、けものフレンズ2

多くのアニメファンが注目する作品『けものフレンズ2』。その制作チーム発表のニュースが飛び込んできた。監督には『アイカツ!』シリーズや『ポチっと発明 ピカちんキット』を手がける木村隆一。そして制作スタジオに選ばれたのは株式会社トマソン。

注目度の高いアニメのセカンドシーズンをあえて引き継ぐことを選んだ背景には何があったのか。そして制作に臨むにあたっての想いは。本インタビューではトマソンのプロデューサー沼田心之介に話を伺った。

■その場で「やります」

――『けものフレンズ2』をトマソンで担当されたのはどういった経緯で?

沼田
けものフレンズのTVアニメがすごいヒットしてて、僕はそれはもちろん外野として知ってはいたんですけど、セカンドシーズンを進めるにあたって制作会社が変わるという記事が流れた後、知人のプロデューサーから「アニメ制作で相談があるんですが」という話がきたんです。
それがこのプロジェクトだったんですね。

――それはびっくりしますね。

沼田
そうですね。とても面白い作品でまさかその作品に携わることができるとは思っていなかったです。
だから、そのときはびっくりのほうが強かったんですけど。

でも、逆にチャンスというか、うちの会社がこんなビッグタイトルを担当できるなんてという考えもあって、その場で「やらせてください」と答えました。
正直、うちの規模だと厳しいかもしれないかなとは思ったんですけど、なんとかしようと。

■葛藤を乗り越える

――担当すると決められてから、いろいろ考えることがあったと思いますが、そのあたりもお聞かせいただけますか?

沼田
うちの会社にも『けものフレンズ』のファンが何人もいたので、スタッフも光栄というか、まさかこんな作品に関われるとは思ってもなくて。僕が最初に社内に伝えたときは、誰も信じませんでしたね。

――(笑)。誰も信じなかった。

沼田
そう。誰も信じなかったし、その後は「いやいや、無理無理」というか。むしろファンであるからこそ「ちょっと難しい」と。「あれはできない」というふうな反応でした。

でも時間がたつにつれて、さっき言ったみたいに、この作品に関われるということは、すごくありがたいことだなという意識に全員が変わってきて、葛藤を乗り越えたという感じですね。

スタッフみんなで何度も作品を見直したり、監督の木村隆一さんと脚本のますもとたくやさんと毎週毎週シナリオ会議というのをやり、それからキャラクターのモデリングから作業に入っていきました。

■毎日がエキサイティング

――どんなことを考えながら制作を進められていますか?

沼田
最初の作品というのは、色んなところに色んな伏線がちりばめられたりしてて、それを視聴者が見て発見して、何度も戻って見るみたいな楽しみ方ができる作品になっていて。
そこに気付くことによって感動し、さらに視聴者自身も「見つけられた自分もすごい」みたいな高揚感を得られる作りになっています。
雰囲気も可愛いくて、ストーリーもゆったりとしたところがあるんですけども、どこか尖った部分もあって、ポストアポカリプス感と申しますか、そこがゆるふわ感と相まって魅力となり、ヒットした要因でもあると思います。
もともとの設定、世界観にそういうものがあったんですね。

あとは現在のモデリングは、原案の吉崎観音さんが描かれたキャラクターを元に作っているんですけども、とにかく可愛い。
絵だけで引き込まれるというか、面白そうだなって思えるんです。本作では「より丸く」「より柔らかく」「よりやさしく」というコンセプトでデザインを進めたんですが、吉崎さんには細かく監修もしていただきました。

動物をモチーフにしたアニマルガールがいて「こんな動物がいるんだ」ということで名前を調べたりとか、そういう楽しみ方もありますよね。
実際に動物園へ行って「あれはサーバルちゃんだ」とか。知的好奇心も刺激されるというのが魅力の1つですね。

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