「アナと雪の女王」や「シュガー・ラッシュ オンライン」(12月21日公開)など、ディズニー・アニメーション・スタジオのさまざまな作品で30年以上にわたり世界各国の吹き替え版の監修を担当してきたリック・デンプシーが、ディズニー声優になるために必要な“条件”を語った。

ディズニー声優といえば、日本ではこれまでも「アナと雪の女王」エルサ役の松たか子、アナ役の神田沙也加、「シュガー・ラッシュ オンライン」では前作「シュガー・ラッシュ」に引き続きラルフ役を山寺宏一、ヴァネロペ役を諸星すみれが演じるなど、俳優や、声優からさまざまな人材が抜てきされてきた。

ディズニー声優全員に共通しているのは、キャラクターにあった“演技力”があるということ。デンプシーは「最も大切なことは演技力だ。声優の演技力によってキャラクターに感情が与えられ、観客は声を通じて登場人物に共感することができる。だから僕たちの仕事で一番大切なことは声優に“演技”をしてもらうことなんだ」と明かす。

声優として一般人の知り合いを紹介されることもあるといい、「面白い声ができるというのは素晴らしいことだが、その人は演じることができるのだろうか。また、キャラクターを長期間にわたって演じることができるだろうか。キャラクターが作品全体を通して、生き続けることができるかは、声に込められたスタイルや演技力にかかっている。それこそが最も重要なことだよ」と声優に欠かせないポイントを説明する。

吹き替え版を製作する際には、その国の観客に受け入れてもらえるかを一番大切にしているようで、「アニメーションの場合、字幕版の声優ではなく素晴らしい日本人声優の声が残る。観客が、この作品は私たちのために作られたんだと感じる作品にすることが最終ゴールだね。アニメーションの吹き替えは、実写の要素に取り組む必要がない点が独特なんだ。字幕版の声優を各国の声優と完全に置き換えることができる。見たものと聞いたものをそのまま受け取るというのは、アニメ−ションだからこそできること」と語る。

「シュガー・ラッシュ オンライン」のラルフの吹き替えについては「悪役キャラクターだけど、とても優しくて温かい心を持っている。その2つの要素を上手く表現できることが、ラルフの声優に求めたことだった」と振り返り、「日本版声優でラルフを演じている山寺(宏一)さんは、本当に素晴らしい方だよ。彼が演じるキャラクターすべてが個性的でユニークで、素晴らしい力を与えてくれるんだ」と演技力を絶賛した。

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