東京電力福島第一原発事故による県産農林水産物への風評払拭(ふっしょく)に向け、県は県産品の品質や安全性を国内外に発信するアニメーション作品を制作した。三春町の福島ガイナックスとの共同制作で、水樹奈々さんら人気声優や福島ゆかりのアーティストを起用。海外で評価の高い日本アニメの力を県産農林水産物のイメージアップに生かし、輸入規制の解除や販路拡大につなげる。
 作品タイトルは「食べちゃったっていいのにな!」。あんぽ柿やヒラメ、県オリジナル米「天のつぶ」など13の産品を少女としてキャラクター化し、県産品の味や作り手の思いを発信する。
 3、4の両日に香港で催す県産食材のPRイベントでお披露目するほか、3月中旬からインターネット動画サイト「You Tube」で公開する。英語、中国語、仏語、スペイン語の4言語に字幕で対応し、在外公館や海外県人会、国際機関にも映像をDVDなどで配布する。日本を紹介するイベントなどで上映してもらう。
 歌手としても活動する水樹さんやいわき市出身のブリドカットセーラ恵美さんが声優を務め、4人組ガールズバンドSILENT SIREN(サイレント・サイレン)のボーカルすぅ(吉田菫)さん=白河市出身=が主題歌を歌う。
 県産農林水産物は原発事故から間もなく7年を迎える現在も27の国・地域で輸入規制が続いている。県は各国の消費者が本県に抱く印象が事故直後のまま固定化していることが風評の一因とみている。福島ガイナックスの制作技術を生かし、海外で広く支持されているアニメという手法でイメージの一新を目指す。
 県農産物流通課は「県産品の高い品質や生産者のこだわりを世界の消費者に知ってほしい」としている。

http://www.minpo.jp/news/detail/2018030149606