村上春樹氏の7年ぶりとなる本格長編『騎士団長殺し』が2月に新潮社から刊行されたが、
売れ行きが当初の目論見から外れ、「過去の作品と比べると、明らかに動きが鈍い」(大手取次幹部)という。

新潮社は昨年11月以降に、かなり力を入れたPRを行ってきた。初版は上下巻合計で異例の100万部を刷り、
しかも発売直前に増刷をかけて過去最高の130万部を用意した。ニュース番組でも報じられた発売日とその直後には
かなりの売れ行きを見せ「初動で50万部くらいまでは一気に売れたが、そこで急激にブレーキがかかった」
(大手出版社関係者)という。現に、一般書店では今もうずたかく積まれた状態が続いており、最近では
「50万部以上が返本される可能性が取り沙汰されている」(出版業界関係者)。全量は保管できないため、
多くが裁断処理されることになるが、新潮社には「返本10万部あたり1億数千万円」(同)ともいわれる負担が
重くのしかかる。前回、2009〜2010年に新潮社から『1Q84』が出版された際は社会現象にまでなったが、
その夢よもう一度という願いは難しい状況になっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170605-00010000-sentaku-soci