http://jp.automaton.am/wp-content/uploads/2017/04/20170406-44171-001-696x392.jpg

『ペルソナ5』4月の北米市場でトップ2位にランクイン。ユーザーとメディアに支持され口コミ広まる
By Minoru Umise - 2017-05-19 21:48


調査会社NPD Groupは北米における4月のビデオゲームの売上データを、Venture Beatなど海外メディアを通じて発表した。ソフトの売上ランキングでは『マリオカート8 デラックス』の好調さが目につくが、特に注目してほしいのは2位に『ペルソナ5』がランクインしていることだ。



『ペルソナ5』の売上は、昨年リリースされた日本でも絶好調であったほか、今年4月4日にリリースされた北米版と欧州版も快調なスタートを切り、4月6日には出荷本数が全世界累計で150万本を突破していることも明かされていた。
今回のNPD Groupのデータはそういった好調さを裏付けた形だ。『ファイナルファンタンジー』といった世界的に人気のあるタイトル以外の国産のRPGが、名だたるタイトルを押しのけて、北米の月間ゲームチャートの2位にランクインする状況は珍しい。
『ペルソナ5』はMeta Scoreを例にあげて、海外で非常に高い評価を受けていることを報じたが、ゲームが高く評価されているほかにも、インターネット上のゲームコミュニティをうまく巻き込んでいる。

「語りたい」を引き出したコンテンツ

『ペルソナ5』は海外で発売されて以来、とにかくメディアに取り上げられている。傾向としてあげられるのは、単純なリリース情報やDLC情報だけでなく、ゲーム内容に踏み込んだメディア独自のコラムや企画が多い点だ。
DualShockersは『ペルソナ5』にまつわる非公式の大規模アンケートをおこない、ゲームに対する満足度やこだわりのほか、キャラクターの人気投票まで実施する入れ込み方だ。
同様に『ペルソナ5』への熱を隠そうとしていないのが、大手メディアのKotaku。『ペルソナ5』の恋愛関係の複雑さに関する考察記事や、ライターが独自にキャラクターをランク付けする記事を投稿している。EurogamerやDestructoidといったほかの大手メディアも『ペルソナ5』の記事を多く投稿している。



本作で特に語られているのは、やはりキャラクターとのキャラクターに付随するコープだろう。
どのキャラクターが好きか、どのコープに思い入れがあるか、多様なキャラクターに対する自分のこだわりを聞いてほしい、そうした願望を引き出すほど魅力のあるキャラクターが『ペルソナ5』には多く存在している。
こうしたキャラクターの人気はグッズ展開への関心にもつながっており、日本で発売される『ペルソナ5』はフィギュアのリリースもまた、海外メディアに報じられている。こうしたキャラクター人気は、副島成記氏が描くキャラクターデザイン、すなわち「外観」の魅力と、ゲーム内のキャラクターの「内面」の魅力が相乗して生まれたものだろう。

『ペルソナ5』は国産RPGではあるが、ほかのビッグタイトルのように、読み手にとって需要があるのだろう。ニュース記事や攻略記事、考察記事が頻繁に投稿されており、海外において『ペルソナ5』はクチコミが盛り上がっていることを示す、いわゆる“Buzz”状態にある。


高まる世界人気

もともと『ペルソナ』シリーズは国内外で評価の高いタイトルであったが、『ペルソナ5』の注目度は段違いだ。Googleトレンドで「Persona」「Persona game」といったキーワードで調べると2017年4月を境に注目度が急激に上昇していることがわかる。
『ペルソナ4』の北米版の発売日は2012年11月、欧州版は2月である点を意識してグラフを見ると、その勢いの違いがわかるだろう。
ビジュアル面で大きく進化したことや、プラットフォームであるPlayStation 4が世界的にヒットしていること、そして前述したようにBuzz状態にあることなど、注目を集める理由は幅広く存在する。しかし、こうした人気を根本的に支えるのは、やはりゲームの完成度の高さだろう。

http://jp.automaton.am/wp-content/uploads/2017/05/20170519-47012-004.jpg

こうしたプレイヤーとメディアが生み出した熱量の後押しを受けて、『ペルソナ5』は一歩先のステージへとあがったといえる。『ペルソナ』ブランドは国内だけに留まるものではなくなりつつある。いまや『ペルソナ』シリーズの動向を、全世界のプレイヤーが注目している。

http://jp.automaton.am/articles/newsjp/20170519-47012/