2021年7月9日(金) 朝日新聞名古屋本社 声
遺族の願いかき消す「復興五輪」   大学専門職員 大村昌枝 (宮城県 64)

 人々の様々な思いが交錯する中、聖火は宮城を、津波の被災地を駆け抜けました。
ランナーのみなさんは晴れやかな笑顔で大任を果たされましたが、あるランナーの一言に
私は胸が張り裂けそうになりました。

 それは、10年前の東日本大震災で当時小学生だった娘さんを失った男性のひと言でした。
津波が小学校を襲ったあの日、娘さんが自宅に置き忘れていたという名札。男性はその
名札を胸につけて、娘さんと共に走ろうとしたのですが、主催者側から「走る時は外して
下さいと言われました」と語るのをテレビで見たのです。ユニホームに何かをつけて走る
ことは大会の着用規定で認められておらず、男性は娘さんの名札をポケットにしのばせて
走ったそうです。

 男性の願いが、五輪という巨大祭典の陰でかき消されたのだとしたら、何をもって「復興
五輪」などと言えるのでしょう。せめて、亡き人と共に堂々と駆け抜けられる、そんな聖火
リレーであってほしかった。

 手のひらにすっぽり納まる、小さな小さな名札。小さくとも全国の、いえ世界中の人々に
伝えられたはずのメッセージの重さを思うと、私は残念でなりません。

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 妙に感傷的な書き方で締めくくっていますが、規定違反と復興五輪に何か関係があるの
でしょうか? それより、韓国のヴァンク( VANK )が、開会式で「毒島(独島)バッジ」
を選手に付けさせて、堂々と五輪憲章違反をやろうと息巻いている云々の話と重なっている
ように見えますがね。