昔から半藤さんの著書はよく読ませていただきました。
資料としては非常に役に立ったけど、論考の方は首をかしげるところが多かったなあ。
特に晩年。

2021年(令和3年)1月22日付大阪本社
半藤さんから託された「絶対」     会社員 佐々木 泉(東京都 57)

 首都圏4都県などの緊急事態宣言に際して、菅義偉首相は「1カ月で感染拡大を絶対に阻止する」と述べ
た。簡単に「絶対」を使っているように聞こえたのは私だけだろうか。
 作家の半藤一利さんがお亡くなりになった。氏の執筆活動の根底には先の戦争の体験、殊に14歳だった
1945(昭和20)年3月10日未明の東京大空襲があるという。
 氏の著作に「焼けあとのちかい」がある。半藤少年の、開戦から東京大空襲、その5か月後の終戦までを
つづった絵本だ。この中で氏は「絶対」という言葉について、こう書いている。
 「焼けあとにポツンと立ちながら、この世に『絶対』はない、ということを思い知らされました」。そして
「二度と『絶対』という言葉はつかわない」と誓ったと。こう誓った氏が戦後70年以上を経て、あえて
「絶対」を使って次のように訴えている。「戦争だけは 絶対に はじめてはいけない」
 これは半藤さんから私たちに託されたバトンだ。「絶対」という言葉の重み、そして責任が伴うことを教
えてくれるバトン。これを私たちは受け取り、つないでいくべきだ。