2021年1月19日(火) 朝日新聞名古屋本社 声
「同姓の絆」国際結婚夫婦は?   会社員 佐々木晋 (北海道 59)

 「別姓家族の絆にも思い寄せて」(11日)を読んだ。「姓を選ばせることで私たち家族の絆を脅かさないで
ください」という切実な思いに共感した。声援をおくりたい。

 ところで、私たち夫婦は正式に結婚しているが、同姓でも別姓でもない。妻には姓がないからだ。妻の
出身地インドネシアでは、ほとんどの人には姓がないが、特に不便はないようだ。共通のファミリーネームは
なくても、インドネシア人は家族の絆をとても大切にするので、「家族の一体感」を失うこともない。

 夫婦別姓に反対する人たちは「家族が同じ姓を名乗ることで家族の一体感が生まれ、子供たちが
健全に育つ」と主張する。いったい、同じ姓であることが生み出す「家族の一体感」とは何なのであろうか。
インドネシア人家族に当てはまらないのは明らかだ。

 そもそも、日本人が外国人と結婚する場合は日本の法律では名字を変える必要がまったくない。つまり、
あれほど「夫婦同姓による家族の一体感」を力説する人たちも、外国人と結婚する日本人にはそれを
求めていないようだ。日本人同士の同姓夫婦だけが特別に大切なのだろうか。