2021年(令和3年)1月18日付大阪本社
経済優先し医療崩壊 責任は?     会社役員 荒木 光男(茨城県 71)

 政府の新型コロナウイルス感染症の担当大臣は西村康稔氏だ。経済再生相である西村氏が兼務している実
態こそ、経済を優先させようとする姿勢の表れであり、感染対策などが等閑視され、感染拡大につながって
いると私は思う。
 菅義偉首相は安倍政権を継承すると明言し、西村氏も再任されて今の要職にある。思えば、去年の春ごろ
から専門家や医療関係者が幾たびか、「医療はこのまま行けば逼迫し崩壊してしまう」と警鐘を鳴らして
きた。しかし自民党幹部らは、経済に悪影響を及ぼす施策を次々と後回しにし、この真冬に感染が爆発する
可能性を否定するかのような発言を繰り返してきた。結局、現在のように感染者が増え続ける事態にならな
ければ、政府は緊急事態宣言の再発出に踏み切ることができなかったとしか言いようがない。
 日本医師会の中川敏男会長は6日の会見で、都市部を中心に適切な医療を提供できない事態が起きている
として「すでに医療崩壊だ」と強調した。政府は休業や営業時間短縮の要請に応じない飲食店への罰則の新
設を検討しているが、自分たちの責任はどう考えているのだろうか。