2021年(令和3年)5月21日付大阪本社
ワクチン トップ抜け駆け失望     社団法人研究員 大澤 尚(埼玉県 56)

 映画やテレビなどで、船の沈没が免れないと悟った船長が退船指揮をとりつつ、最後まで残り船もろとも
海中に没する壮絶なシーンを見たことがある。「責任・義務を果たす」「世間に恥じぬ行動」「高いプライ
ド」という言葉が浮かび上がる。それだけ船長というトップの地位は崇高なものがあったのだろう。
 翻って現在の自治体のトップを見ると、新型コロナワクチンの「抜け駆け」接種が多発し、怒りを通り越
して悲しくなる。フランス語に「ノブレス・オブリージュ」という言葉がある。身分の高い者はそれに応じ
て果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという意味だ。彼らにこのようなプライドがあるのか。また、
日本医師会トップである中川俊男会長も、自身が後援会長を務める参院議員のパーティーに参加していた。
あきれてものが言えない。彼はコロナ対応で疲弊している医療従事者のまさにトップだ。
 私たち国民が求めるのは、コロナ対策を誠実に確実に進めてほしいということ。すべての力を最大限に発
揮し、集中して難局に立ち向かうことだ。それには情報公開、なによりも公平性が求められると私は強く思う。
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沈没船の船長なんて「うまいこと言った!」って思ったんだろうけど、自治体トップがワクチン接種したのも
そいつが最後までコロナ対応の指揮を執ろうとしたからであって、船長が最後まで残るのと同じだぞ。
自治体もトップがいなくなると指揮系統が機能しなくなって混乱するんだよ。