2021年4月27日(火) 朝日新聞名古屋本社 声
霞が関 余力と健康の回復を   医師 木下翔太郎 (東京都 31)

 医師として霞が関の省庁職員の健康管理をしているが、昨今のゆとりの無さは深刻で
あると考える。

 今年3月に閣議決定された答弁書によると、昨年12月からの3カ月間で月80時間を超える
超過勤務をした職員が延べ6532人にも上っている。メンタル面の休職も一般企業の平均
より多い状態が続いている。

 霞が関が疲弊すると、国が当たり前にできていたことや新しい課題に対応できない弊害が
出てくる。実際、法案の誤字が多発し国会がストップしたり、新型コロナ感染者との接触を
知らせるスマホアプリの不具合が放置されたり……は、その表れではないか。

 日本は先進国の中で人口千人当たりの公務員数が少ない。慢性的な人手不足が余裕を奪い、
超過勤務を生じさせている。霞が関の余力と健康を取り戻していくことが、日本の将来に
とって重要ではないだろうか。

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 日本の公務員は多過ぎる。民間より仕事は楽で収入は多くて、恵まれ過ぎだ――多くの
国民がそう思っていますよ。誰が吹き込んだのかは知りませんが、「俺たちよりいい思いを
しやがって」という庶民の妬み根性につけ込んだ洗脳です。