>>492
(続き)

報道にあたる編集局の担当者と、さっそく話し合いました。最前線で取材をする
政治部も加わりました。

話題になったのが、朝日新聞が実施した今月の世論調査です。
「安倍首相の7年8カ月の実績をどの程度評価しますか」という問いに
71%の人が「大いに」または「ある程度」評価すると答えました。

編集局との意見交換に加わったパブリックエディターは私のほかに3人。
うち1人は「71%の衝撃。朝日新聞と国民世論のずれ」と驚きを隠しませんでした。

「安倍政権はよかった」と7割の人が感じている時に、「問題や課題が浮き彫りに
なった」という検証記事の指摘は届きにくかったということかもしれません。

朝日新聞は「批判ありきの新聞」と評されることがあります。そんな意図はもちろん
なく、報道機関として必要な指摘をしているとの立場を説明してきました。でも、
政権を支持する声と批判する人たちの意見、そのどちらにもきっちりとアンテナを
張っていたか。両者のものの見方を十分に咀嚼できていたか。虚心坦懐に振り返る
必要があります。

(続く)