2020年10月6日（火）　朝日新聞名古屋本社　声
「郷土の誇り」首相展に違和感　　　無職　赤間　至　（山口県　85）

　山口県主催の「山口県の総理大臣展」が県庁で開かれている。郷土への誇りと愛着を高める
狙いで、ゆかりの総理8人の業績などが紹介されている。宇部市で少年時代を過ごした立憲民主党の
菅直人・元首相は選挙区が違うとかで除かれている。

　こんな不快な展覧会を見たことがない。肖像が軍服や勲章にまみれているからだけではない。
歴史の陰や認識の相違の部分を思ったからだ。

　8人の1人、伊藤博文は朝鮮独立運動家の安重根（アンジュングン）に暗殺されたが、安は韓国
では国民的英雄である。また、寺内正毅は私設図書館「寺内文庫」を作ったが、朝鮮関連の貴重な
古文書などは朝鮮総督の時代にかの地から持ち帰ったものではないか。

　田中義一は「山東出兵」を決定した。私が中国・済南市に短期留学中だった20年前の5月3日朝、
サイレンが鳴り渡った。山東出兵で起きた済南事件の犠牲者を追悼し、市民が記念碑に献花して
いた。岸信介は戦争責任を問われ、A級戦犯容疑者として巣鴨拘置所に収監された。

　世界的視野で物事を考える必要性が説かれる今の時代に、郷土愛を前面に業績をたたえる
展示をするのは時代遅れの感覚と思えてならない。

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　「安は韓国では国民的英雄である」、これだけでも投稿者の正体がはっきり表われています。
多分、なぜ菅直人氏の展示がないのか、と県庁の担当職員にクレームを入れたりしたのでしょう。