2019年7月9日(火) 朝日新聞名古屋本社 声
若者に戦争を伝え平和を守ろう   無職 甲斐祺郎 (宮崎県 80)

 作家の半藤一利さんが女子大で講義をして驚いたこと、という話が雑誌に載っていた。太平洋
戦争で日本と戦争をしなかった国について、@アメリカAドイツB旧ソ連Cオーストラリアーーの
4択で、学生50人に質問したところ、13人がアメリカと答えたという。

 このことを知り合いに話したら、「若者が戦争について知らないのは当然」ときっぱり言われて、
恐ろしくなった。憲法9条は平和を守るものと考えている。それが改正されたら一番に火の粉が
降りかかってくるのが若者なのに、当事者たちが戦争に無関心で知らないとは。以前、福岡で
「9条を守ろう」と女性が署名を呼びかけたが、自分には関係ない風で通り過ぎていく若者たちの
様子を、新聞の記事で読んだ。

 本当かどうか。私はガソリンスタンドで、若い女性スタッフに戦争について聞いてみた。「知って
います。修学旅行で長崎に行き、祖父母からも戦争の話を聞きました」との答えが返ってきた。
「いま、戦争のない時代にいて幸せ」とも話し、ようやく一安心した。若者たちに子供のころから
戦争の話を伝えていくことが大切だと痛感する。