>>402
(続き)

 ――不穏な空気を感じますね。

「いま、歴史修正主義者が提示する話を真実だと信じる人が増えていると、ひしひしと
感じます。そんな中で、影響力のあるメディアは今まで以上に、真実を伝える使命に
固執してくれないと困るわけです。きちんと合理的に裏づけをとった事実を重ねて、
事実に迫るといった具合に」

 ――だからこそ、BPOの存在意義があると?

「放送局に事実を伝える使命を守ってもらうために、個別の番組でまちがいが起きた
とき、経緯を調べ、是正すべきところをきっちり指摘するのがBPOの放送倫理検証
委員会です。ただ、その意見は行政権力を背景とはしない。あくまで放送局とは
フラットな関係です。指摘される側はまさに自主的自律的に咀嚼し、自ら考え、次に
やるべきことを決めるのです」

(続く)