>>478

なぜ平昌に置かれた?

――平昌にはどのような経緯で置くことになったのですか?また、なぜ3体に増えたのですか?

 「2013年の平昌ビエンナーレに選ばれ、展示後に江原道文化財団が購入して、
現在の場所に置かれました。彫刻像は『私を含めた私たち』という概念で、
3体ではなく、10体や100体にもなり得るという意図を込めています」

――キムさんの作品は、どのような経験やルーツから生まれたのですか?

 「『人間とは何なのか』『私たちはどこに立っているのか』という実存的な問いが
信念になっています。2001年に米国留学に行きました。同時多発テロが起きた時、
ニューヨークのマンハッタンにいて、ツインタワーからおびただしい煙が
立ち上がるのを目にしました。交通もまひし、歩いて橋を渡って帰宅しました。
隣に住んでいた韓国人がテロで夫を亡くし、数日後にはブッシュ大統領(当時)が
報復攻撃を始め、また何の罪もない多くの犠牲者が出ました。
当時、新たな文化に適応しなければならなかった身で、『なぜここにいるのか?
人間とは何なのか?平和とは?』など、答えの見つからない問いかけが始まりました」