(>>453の続き)

中川氏は薬害ヤコブ病の患者救済や介助犬といった身体障害者補助犬法などに取り組んだ。
野中氏だけでなく多くの与党の実力者に声をかけて巻き込んで、辛抱強くことを進めて
法律を作った。2期務めて2003年の総選挙で落選後、国政を去る。
09年、宝塚市長選に出馬した。市長が連続して収賄で逮捕という前代未聞の出来事の
後だった。野中氏に相談すると「やりなさい」と背中を押してくれ、応援にも来てくれた。
今は3期目だ。市民との対話集会を行い、同性カップルを結婚と同等の間柄とする綱領
づくりなどに取り組んだ。
2人の政治家に共通するのは、弱い立場にある人に寄り添う限りない優しさと平和への
強い思いだ。多面的な顔ももっていた。根底には人を信じる力があり、その力は伝播
していく。政治の基本だと思う。
野中氏の遺伝子は確かに受け継がれ、地方で息づいている。国政ではどうだろう。
それを思う時、私は少し暗い気分になる。

  (終り)