(社説)姉妹都市 市民交流を続けてこそ:朝日新聞デジタル

太平洋の両岸にある大阪市と米サンフランシスコ市。今年10月に満60年
を迎えた両市の姉妹都市関係が危機に陥っている。
サンフランシスコ市議会が今月14日、地元の市民団体が設置した慰安婦像を公共物
として受け入れることを議決した。

像の碑文には「旧日本軍によって数十万人の女性が性奴隷にされた」
「ほとんどが捕らわれの身のまま亡くなった」といった表現がある。

大阪市の吉村洋文市長は「不確かな主張で、日本へのバッシングだ」と再三抗議してきた。
サンフランシスコ側が方針を覆さない限り、年内にも姉妹都市提携を解消する意向だ。
ちょっと待ってほしい。姉妹都市の関係のもとで育まれてきた交流は、双方の市民の歴史的
財産である。市長の一存で断ち切ってよいものではない。