バッハの音色再現、可能性は無限大のパイプオルガン完成

アムステルダム=河原田慎一2018年5月17日17時00分
https://www.asahi.com/articles/ASL5K54QZL5KUHBI023.html?iref=comtop_list_int_n04

バッハが活躍した17〜18世紀のバロック時代の音を再現したうえ、音を自由に操れる最新の制御装置を併せ持つパイプオルガンが、オランダで完成した。
音色づくりを日本人のオルガン製作者が担当。
手作りの音で、通常ではできない技法や音響を作り出すことができるといい、作曲の新たな可能性をひらくオルガンとしても注目されている。

アムステルダムにあるコンサートホール「オルゲルパーク」で公開された「ユートピアバロックオルガン」は、約4千本のパイプを備えた荘厳なつくりだ。
バッハが演奏した時代の音を忠実に再現しようと、オルガン製作者の横田宗隆さん(66)がパイプ一本一本の厚さや形を調整し、音色をつくった。

オルガンには、通常の鍵盤とは別に、モニターと鍵盤のついた制御装置が備えられている。パイプに空気を通す弁を遠隔操作することで、人の手では不可能な速さで音を反復させたり、音を組み合わせたりできるという。
バロック時代の音を使いながら、パイプオルガンが持つ多彩な音響の可能性が無限に広がる。