1月6日(土)朝日新聞朝刊土曜版・フロントランナー

俳優 吉永小百合さん

  (前略)

 ――核廃絶、原発ゼロ、平和について発言されています。息苦しくなってきた世の中で、
 芸能界で発言するのは厳しくないですか。

それは、自分たちでそう思っちゃっているところがあるかもしれませんね。ラジオ番組
などでご自分の意見を言われている方もおられるし。結局、その人がどう向き合うかだと
思うんですね。ただ、弱い立場の人にはダメージが大きすぎることもある。私たちみたいに
(芸能活動が)長い人間が発していかないと。私が”師匠”と呼ぶ坂本龍一さんの、声高では
ないけれど、きちっとしたお話のされ方が素晴らしい。私も語っていこうと思います。

 ――北朝鮮情勢が切迫するなか、軍事力での対抗が必要だという声もあります。

前に、私の友達と議論してそういう話になって、うまく反論できなくて悩んだんです。
その後、姜尚中さんと対談したとき、「世界一の軍事力をもつアメリカですら9・11を
防げなかった。軍事力で守ることはできない」とおっしゃったのを聞き、そうだ、と。
東アジアは大変な状況ですけど、それでもみんなでテーブルについて話さなければならない。
そうさせるのは私たち一人一人です。

  (以下略)