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10月31日の「時時刻刻」の「野党、質問削減を非難」は、「与党2対野党8」が慣例となった
歴史的背景や、「政府とそれを支える与党は国会審議で『一体性』が高い」というそもそもの
仕組みを解説していて、その後の展開を追うために役だった。基礎的な知識を得る記事としては、
11月15日の「いちからわかる! 国会質問 何のためにするのじゃ?」があったのだが、
フクロウの「ホー先生」が質問するこれは、紙面が足りなすぎた。

記事では、「質問時間配分」に関する与野党の攻防を、具体的な国会論戦の前哨戦的に
取り上げたものが多く、基礎的説明はその中で補足的になされていたが、一度整理してほしかった。

そんな中で、もっとも読みたかったのは、11月3日の「議会の質問時間配分 欧州でも野党に多く」
という記事だ。民主主義が根づいている欧州では、「議会の役割を『政府のチェック』とみなしている」
という当然のことに触れ、議会の7割を占めていたドイツで、野党の質問件数が占める割合が
「大質問98・4% 質問時間80・7%」、フランスでも法案の審議時間の「最低60%」が野党の
質問時間に割かれるなど、具体的な数字が挙がっていて参考になった。学習院大学の野中尚人
教授(比較政治)が指摘されるように、他国では首相が委員会に出席しないケースなどもあり、
一概に比較はできない。しかし、「議会は政府を監視するものだ」と広く理解することが、この問題を
考える上で最重要だと感じた。

  (続く)