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国民投票 壮大な無駄

「9条の政府解釈を1ミリも動かさない」。
6月の自民党の憲法改正推進本部の会合で本部長だった保岡興治氏はこう発言したが、
愛敬浩二・名古屋大教授は「憲法改正による法的な効果が変わらないのであれば、
何百億もかけて国民投票を行うのは、壮大な無駄だ」と語る。

しかも、憲法学者の中にある違憲論を解消するのが改憲の理由だという。
「安全保障関連法を成立させる際には憲法学者の違憲論を無視しながら、
ご都合主義が過ぎる。
違憲論との対抗の中で、政府は自衛隊を合憲の存在としつつ抑制的に運用してきたのが、
これまでの歴史だ」と愛敬氏。

「自衛隊明記の提案があれば、私たちが国民投票で問うべき問題は、
集団的自衛権の行使を容認した解釈変更の是非だ。
否決されれば、政府解釈は元に戻し、安保関連法は廃止されることになるだろう」

  (終り)