朝日東京版 (2017年9月7日)
林えいだい氏の死と小池発言(高校教員 藤村泰夫 山口県 57)

記録作家・林えいだい氏の死と、関東大震災後の朝鮮人虐殺についての小池知事の発言が載った。
林氏と言えば朝鮮人強制連行の記録が思い起こされる。氏の講演を聞いたことがある。
何度も取材先に足を運んで重い口を開いてもらった話を語った。氏が掘り起こしてくれたおかげで、私は朝鮮人への残虐行為を知った。

一方、小池知事は今年、関東大震災への追悼文への都知事名の追悼文を止めた。定例会見で虐殺の有無への認識を問われ、
「様々な見方があると捉えている」と語り明言を避けた。
「歴をを掘り起こす」者がこの世を去り、歴史を隠蔽するかのような発言がまかり通る。その現実を突きつけられた思いだ。

今からに十数年前、在日コリアンの老人から「北朝鮮に関して何かあると、また関東大震災のようなことが起こるのではと恐れている」と聞いた。
在日コリアンにとって朝鮮人虐殺は過去ではなく現在のことだと知った。
歴史の隠蔽や風化を許さず、林氏が掘り起こし、描き続けた民衆の姿を後世に伝えねばと思う。