【六価クロム事件】
昭和46年、産業公害問題が社会的にクローズアップされていたが、
この年の 9月10日朝日新聞朝刊で、通産省公害保安課が毒性のある微量重金属を
垂れ流している工場の実態を明らかにしたものの、垂れ流し工場ブラックリストが
未公開であることに不満を表した。
さらに11日の社説では公表を厳しく迫っ た。

13日、この朝日の果敢な追究に折れた通産省は、ついに362社の社名を公開。
読売新聞などはこのリスト全社を紙面に載せたが……
あれれ?厳しく 公表を迫った朝日新聞には6工場のみしか掲載されていない?なぜ……?
なんのことはない。公表されたブラックリストに「朝日新聞東京本社」が入っていたのである。
当時、朝日新聞は六価クロムを含んだ写真製版処理液を下水道に垂れ流しており、これを隠蔽していたのだった。

『日本から朝日新聞が消える日』 片岡正巳/著 (閣文社)