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月刊正論2017年11月号
NHK教科書採択報道のダブルスタンダード
拓殖大学客員教授 藤岡信勝
https://www.amazon.co.jp/dp/B0742ZCJMW/

●度外れのダブルスタンダード

 8月7日深夜、ついにつくる会事務所が時限爆弾によって放火されるというゲリラ的なテロが実行された。
のちに革労協と名乗る極左過激派の一派が犯行声明を出した。
 こういう事態に対し、NHKは何をしたか。「NHKはいかにも価値観を入れないかのごとき客観的
報道を装いつつ、韓国からの脅迫ニュースをトップニュースで流し続け、現実には扶桑社版を暗に不採択
にする妨害工作に全国規模で加担した」(8月16日付、つくる会・西尾幹二会長声明)
 そのNHKが、たかが百枚規模の同文のハガキを採択校が受け取ったくらいで番組をつくるとは、盗人
猛々しいと言われても仕方がない所業である。
 もう一度言う。下都賀事件では、テロを含む明白な組織的圧力によって、一度正規の手続きにより決定さ
れた教科書の採択が覆されたのである。法治国家としてあるまじきことであり、これほどの不祥事はない。
 これに対し、今回NHKが取り上げた「事件」は、すでに採択が終わっていて、採択結果の変更などとは
関係のない条件下での出来事であった。要するに、どんな狂暴な圧力でも、日教組や左派勢力がやった
ことは「市民の声」であり、右派勢力と見なされる個人がやったことは「採択を歪める」「不当な圧力」である
というのである。NHKのダブルスタンダードはあまりにも度を超している。

(続く)