「満蒙は日本の生命線」は日露戦争で得た満蒙の権益を確保するために戦前の日本政府および陸軍が方針とした論理である
それが中国国民政府の国権回復運動の煽りを受けて危機感を抱いた関東軍の領土的支配を正当化するロジックに用いられ、満州事変へとつながった

戦後の日本はサンフランシスコ講和条約で台湾の領有権を放棄している
ゆえに戦後の日本には台湾に対する領土的野心も執着も無く台湾を領有する必要性も無い
日本にとっては台湾有事によってシーレーンが脅かされることが懸念事項であり、且つ台湾に近い沖縄への中国の武力行使を警戒する

しかも高市総理の「台湾有事は存立危機事態になり得る」との答弁は台湾有事に際して来援した米軍に対する中国の武力行使が前提となっている
日本が集団的自衛権の範囲とするのはあくまでも米国であり台湾を集団的自衛権の対象に組み込むことは現行の安保法制では想定していない
まして日本が直接的に攻撃を受けない限り単独で台湾有事に介入することはあり得ない

むしろ中共政府こそが台湾に対する領土的執着と海洋進出のために現状変更する動機を持っているし、中共政府も台湾に対する武力侵攻の可能性を否定していない
「満蒙は日本の生命線」を例に挙げるのであれば、寧ろ中共政府の「台湾は中国の核心的利益」との共通性を指摘しなければならない