カジノ解禁で異例の分裂
“下駄の雪”公明党の屈辱

2016.12.08 12:02
山口代表もカジノ解禁に慎重だったが…

 カジノ解禁法案が12月2日に衆院内閣委員会で可決され、今国会で成立する見通しだ。
委員会審議わずか6時間という拙速ぶりもさることながら、与党・公明党が「自主投票」という異例の対応となった。

 カジノ法案は、大阪での公明党の宿敵・日本維新の会が積極的で自民議員らと議員立法として提出しており、
今国会での成立を図っていた。公明党は支持母体である創価学会内に「ギャンブル推奨につながる法案」との抵抗もあり、
慎重意見がほとんどだった。公明党関係者が嘆く。

「カジノ解禁は女性の支持が少なく、政権寄りの読売新聞や産経新聞でさえ反対の社説を掲載するなど世論の反対は根強い。
ただ、自民が思いのほか維新に引っ張られて、今国会成立に前のめりになり、気付いた時には遅かった」

 結局、委員会採決で公明党委員は賛成一、反対二に分かれた。

 常に一枚岩、上意下達と思われがちな公明党だが、こうした自主投票という手段をとることはある。
典型的だったのは今から約20年前の新進党党首選。当時、小沢一郎氏と羽田孜氏の一騎打ちとなった際には、
新進党に所属した旧公明党議員を「自主投票」とし、双方に目配りした。