聖人君子でもなく、実はクソジジイでもなく、そのバランスが一番自然だったのが初代東野英治郎かな
ときに人間臭さもあって、平時はくだらないことで激おこしたりするけど
だがいざというときは誰よりも冷静に聡明に治める
悪党が相手ではときに老獪さを発揮して悪党の裏をもかくし
極悪人への裁きではときに物凄い厳しさ、底知れぬ怖さ、威厳もみせる
深みがあったよ。色々な顔を持ちながらもその変化がとても自然だった

西村さんはその変化が大き過ぎたのか少し違和感あったんだよな。
町人のときとご老公のときの雰囲気の変化があまりに大きすぎてあざとさというか、違和感
でも、御老公として柳沢吉保と対面するときの凄みは誰にも真似できないものがあった

佐野さんは良くも悪くも、無難。違和感もなく、東野西村に匹敵する凄さもなく。ただ、悪くはなかった
水戸黄門が名作として観れるのは俺はここまでかな。石坂浩二からは急激に駄作化が進んだからな
御老公のイメージも脚本も、同一シリーズとは思えぬほど変化してしまったし、陳腐化してしまった
史実と娯楽時代劇のバランスもおかしくなってしまった。石坂は史実にこだわり杉、武田鉄矢は娯楽に流れ杉