きこりさんも書かれていますが、アパチャーグリルのことです。
アパーチャグリルとか、微妙に違う発音をすることもあります。

日本語では「色選別機構」と呼ばれ、「発光させるべき蛍光体に電子を当てるために、
余計な電子を通過させないように遮るためのもの。」です。

AG はソニーが使う呼び名で、他のメーカーはマスクと呼ぶことがほとんどです(「遮る」=「マスク」)。
余談ですが、三菱のダイヤモンドトロン管の色選別機構はソニーの物と同じ構造のため、
世間では AG と呼ばれることが多いのですが、三菱は昔はシャドウマスクが主だったので
三菱のエンジニアは AG と呼ばずにマスクと呼ぶことが多かったりします。

色選別機構については検索エンジンを使うと大量に出てきますが、
http://home.impress.co.jp/magazine/dosvpr/q-a/9912/qa9912_1.htm
の説明が明解です。また、
http://www1.inz.sony.co.jp/jinji/inazawa.pdf
に CRT のカットモデルがあるので参考になると思います。

ドット欠けに話を戻すと、色選別機構はカーボンストライプと蛍光体面を作る時にも重要な働きをします。
CRT の表示面において、カーボンが付く場所か蛍光体が付く場所かは、電子銃の位置に光源を置いたときに
影になる場所かどうかで決まります(影になる場所がカーボンストライプになる)。
AG が目詰まりしているとその部分は影になってしまうため、カーボンが付くことになります。
B,G,R 1セットで目詰まりしていれば黒いドット欠けになりますし、
B,G が目詰まりすれば R の常時点灯のようになります(白を表示させようとした時)。

黒のドット欠けは比較的目立つので発見されやすいですが、R の常時点灯のようなものは
気が付かずにいることが多いですね。