しかし、Coffee Lakeは14nm++を本当に使っているのだろうか? これが怪し
いと筆者は疑っている。Coffee Lakeの解説記事で指摘したが、前世代
の"Kaby Lake"(開発コード名)とCoffee Lakeのダイレイアウト写真を重ね合
わせてみると、ほぼぴったり重なり合っていることが分かる。

ゲートピッチとメタルピッチは、いわばトランジスタの寸法であって、これが
異なる場合は、普通はレイアウトそのものが変わる。大昔のOptical Shrinkの
時代と異なり、縦横方向に等倍で縮小されるわけではないからだ。

もう1点、気になることがある。Coffee Lakeのレビューで紹介した通り、
Coffee Lakeは性能改善分を上回る消費電力増に見舞われている。Dhrystone
のスコアと消費電力、それとコア数を考慮に入れると、Core i7-8700Kと
Core i7-7700Kで本当にプロセスが違うのだろうか。

Coffee Lakeは「14nm++で作りたかった」もしくは「14nm++で作る予定だ
った」のに、間に合わなかったか、何かしら問題があったかで、14nm++を先
送りにしたのではないか? という疑念を筆者は抱いている。

いま市場に出ているコアはワンポイントリリーフで、2018年Q2前後にさらっ
と14nm++で作り直した「真」Coffee Lakeが出てきても、筆者はあまり驚か
ない。いまのCoffee Lakeは、14nm++で製造したとすると、辻褄が合わない
ことが多いからだ。
https://news.mynavi.jp/article/20180101-trend01/